「レッグプレスで200kg(例)押せた!」
そんな投稿、SNSやジムでよく見かけますよね。
でも、その200kg、もしスクワットの200kgと同じだと思っているなら、それ…
実は、物理的には7割の負荷しかかかっていません!
200kg ≠ 200kg ???
今回は、意外と知られていないハックスクワットやレッグプレスの「本当の負荷」を、簡単な物理の話を交えて解説します。
✅ 45度マシンの「負荷の正体」
レッグプレスやハックスクワットにはいくつかタイプがありますが
その中でもよく見かけるのが、45度の傾斜で動くマシンです。
この角度が、実は負荷を約7割にしているカラクリ。
【理由】
重りには地球の重力がかかっていますが、マシンが斜めに動くことで、重力の一部しか負荷になっていないから。
具体的には、この式:
実際の負荷 = 重り × sin(45°) ≒ 重り × 0.707
つまり、実際は「7割の重さ」しか脚にかかっていないというわけ。
⚡️【具体例】200kgセットの場合
では、ジムでよく見る200kgセットの場合、どうなるか計算してみましょう。
200kg × 0.707 ≒ 141kg
実際は約141kgのスクワット相当の垂直負荷しかかかっていない計算になります。
もちろん、これで「意味がない」なんてことはありませんが、数字そのものに踊らされないことが大切です。
❓ なぜそんなことになるの?
理由はシンプル。
レッグプレスやハックスクワットは、斜めのレールを押しているから。
もし200kgの重りを真上に持ち上げていたら、200kgそのままの負荷がかかりますが、斜めだと「滑り落ちようとする力」だけが負荷になるんです。物理でいう「ベクトル成分」というやつですね。
💬 とはいえ、体感はもう少し重いです
ここまでで「プレートの約70%が実際の負荷になります」と紹介しましたが、
実際にレッグプレスをやっていて、「それ以上に重く感じる」と思ったことはありませんか?
それ、正しい感覚です。
今回紹介した「√1/2(約0.707倍)」というのは、あくまで物理的な理論値。
実際のトレーニングでは、次のような見えない負荷も加わっています。
【理論値より重く感じる理由】
・マシンの摩擦抵抗
→ スムーズに動かないレールや古いマシンほど、余分な力が必要
・スレッドそのものの重量
→ プレートを載せる台座(フットプレート+フレーム)だけで30〜60kgあることも
・動き始めの慣性負荷
→ 静止状態から押し出すとき、一気に力が必要になる
そのため、たとえば100kgセットしても、実際の体感は70kgじゃなくて80〜90kgくらいに感じることもよくあります。
これは、単に脚(大腿四頭筋)だけではなく、
ヒップ(大臀筋)やハムストリングスを狙ったフォームで使っている場合も同じです。
負荷がどの筋肉にどう乗っているかで、感じ方がまったく変わるというのも、レッグプレスの面白いところ。
数字の計算は目安。
でも実際に「自分の身体がどう感じるか」が、いちばん大事。
📝 まとめ|数字はあくまで「目安」
レッグプレスやハックスクワットで「◯kg挙げた!」という数字は、見た目のインパクトが強いですが
実はマシンの構造によって、重りそのままの負荷ではないというのが今回のポイントでした。
特に45度のマシンでは、かかる負荷は重りの約70%(√2 ÷ 2 ≒ 0.707倍)とされます。
この数字を知っておくだけで、フリーウェイトとマシン種目を無意識に同じ物差しで比べてしまうことを防げます。
もちろん、数字を目標にすることはモチベーションになります。
でも大切なのは、その数字が何を意味しているのかを理解したうえで、トレーニングに取り組むこと。
物理的な事実を知った上で、自分に必要な負荷・方法を選ぶ。
その「数字との付き合い方」が、結局いちばん大事なんじゃないかと思います。
👉 同じ100kgでも、水平レッグプレスだと体感がどう違うか?はこっちの記事でまとめてるで!
📝 2025年3月28日