一方には「強度」、もう一方には「ボリューム」のバランススケールの前で考える女性

🏋️‍♀️ 減量中の筋トレ頻度と設計のポイントまとめ

「体脂肪を落としたいなら、筋トレを増やせばいい?」
実はそう単純じゃない。栄養が足りない状態でトレーニングを増やすと、筋肉も削れることがある。



⬇️ 減量中の体は”栄養が足りないモード”

摂取カロリーが少ないとき、体はこう反応する:

  • トレーニングで筋肉にダメージを与えても、修復に必要なリソース
    (たんぱく質+炭水化物・脂質による十分なカロリー)が不足している
  • オーバーワークになると、筋分解(カタボリック)優位になりやすい

つまり、筋トレで負荷をかけて刺激しても、回復できなければ育たない。
むしろ削れる



✅ 減量中の筋トレの目的は「維持」

増やすより、今ある筋肉を守ることを第一に。

特に初心者に伝えたいのは、「なぜ重量を極力落とさないようにするか?」という理由。

筋肉って、実は“贅沢な組織”なんです。体から見れば、エネルギーを多く消費する維持コストの高い組織
エネルギーを多く消費する維持コストの高い組織:筋肉VS脳

だからこそ

「もうこの重量扱ってないなら、筋肉いらんよな?」

と身体が判断すると、筋肉はどんどん削られていきます。

つまり、扱う重量=体へのメッセージ
「まだこの筋肉、必要やで」と伝えることが、減量中の筋肉維持につながります。

せっかく増量期に時間をかけて増やした筋肉。
初心者でも筋肉を1kg増やすのは決して簡単ではない(むしろ1ヶ月で1kgはかなり難しい)。
それが、減量期にあっさり1kg以上落ちることもあるとしたら……悲しすぎません?

関連リンク:減量で1kg減っても、それ脂肪じゃないかもしれない?

そのためには、ボリューム(セット数・種目数)や頻度を調整して、
“やりすぎないこと”が大事。



⚙️ 筋トレ設計の目安(減量中)

項目減量中の考え方
頻度週2〜4回(ライフスタイル、回復力次第)
強度(重量)できるだけキープ(体重減により少し下がるのは許容)
ボリューム通常の70〜80%に調整(回復力に応じて)
有酸素減量初期には行わず、停滞してから追加するのが効果的


※有酸素は“最初の手札”として使うのはもったいない。
まずは食事コントロールだけで様子を見て、1ヶ月ほど経って体重の減りが鈍化してきたら、有酸素を「次のカード」として追加するのが賢いやり方。

(男性のボディメイク選手など、筋量が多い場合は有酸素なしで減量が進むこともありますが、
女性の場合は停滞してきたタイミングで有酸素を検討するケースが多いです)


🔍 よくある誤解

「成長ホルモンを出すために筋トレして睡眠とれば筋肉が増える?」

これは、成長期の話と混同されがち
実際、成長ホルモンは“成長後の大人”において、筋肥大に直接強く関わっていないというエビデンスもあります。

ただし、脂肪代謝や細胞修復、体のコンディション調整には関与するため、
「筋肉が増えやすい体を整える」間接的な要因としては重要です。



💬 結論:筋トレの量ではなく、整え方

減量中の筋トレは、“攻める”より“守る”。
やりすぎて削られるより、必要最低限で守りきる方が、結果的にキレイに仕上がる。

筋トレ=壊す、回復=育てる。
その「育てる側のリソース」が減っている時期だと理解して、うまく調整していこう。

サイン

Recommend